2010年06月15日

近代フリーメーソン

ヤフェトメーソン

イエスはヨセフの実子ではなく、ナフタリ族(10支族)の領地であるナザレで生まれている。
イエスの血統がナフタリ族だった可能性があるが、もしそうだとしたら興味深い話がある。

エルサレム神殿建設の最高責任者として神殿を完成させたナフタリ族のヒラム・アビフは、ソロモン王が不在の時は代理人として、ソロモン王と同等の権威が与えられていた。
エルサレム神殿建設の最高責任者という事は、エッセネ派のルーツといわれる「セラピス教団」の指導者だったことになる。

伝説によれば、ヒラムは3人の職人に殺害されて山中に埋められた。
ソロモン王は、行方不明となったヒラムを捜索すべく、12人の職人を派遣してヒラムの遺体を発見したが、死後14日目にして腐敗がなく、「ライオンの握手法」によって蘇生したという。
言うまでもなく、これはイエス・キリストの予型である。
イエスはナフタリ族の末裔だったのだろうか……。

近代フリーメーソンでは、親方位階の参入儀礼の際にヒラムの殺害と復活の儀式が行われ、陰謀論者はこれを怪しい黒魔術の儀式だと主張する。
だが、この儀式の真意は、聖劇によってヒラムの死と再生を追体験することにより、従来の自己と決別し、神化した新たな生命体として自己変容を遂げることを示している。
つまり、これはアセンションの予型でもあるのだ。

では、近代フリーメーソンの起源は、セラピス教団にあるのだろうか。
否、近代フリーメーソンの発祥はイギリスであり、その起源は「ヤフェトメ―ソン」にまで遡る。
ヤフェトは白人種の祖であり、白人社会で広まったフリーメーソンは「ヤフェトメーソン」をルーツとしているのだ。

例えば、世界最古の製鉄民ヒッタイト人、バラモン教〜ヒンドゥー教を成立したインド・アーリア人、ゾロアスター教の開祖ザラスシュトラなどがヤフェトメーソンのカバラの知識を得ていたと考えて良い。
また、古代ギリシアでは、幾何学を生み出す最も基本的な道具として「直角定規」と「コンパス」が神聖視されていたが、プラトンやピタゴラスもヤフェトメーソンだったと思われる。

そして、中世ヨーロッパの大聖堂や修道院、宮殿、城を建築する石工職人のギルド(同業組合)が、近代フリーメーソンの元型になったとする説が有力である。
彼らは建築学以外にも、工学、物理学、数学、幾何学、美術などの高度な知識と特殊技術を有し、その集大成を選ばれた者のみに伝授する必要があった。
また、大聖堂や城や宮殿の建築で権力者達と交わり、様々な秘密を守る必要に迫られ、必然的に秘密結社的な性格を持つようになっていった。
石工ギルドは都市の政治・経済の実権を握っていったが、近代産業の発展と共に17世紀以降は衰退していった。

だが、1717年6月24日、イギリスの4つのロッジが統合され、ロンドンに「グランド・ロッジ」と呼ばれる本部が設立された。
これが、近代フリーメイソンの事実上の発足である。

薔薇十字団とフリーメーソン

1614年に神聖ローマ帝国で刊行された『全世界の普遍的かつ総体的改革』とその付録『友愛団の名声』により、薔薇十字団の存在がヨーロッパ全土に知れ渡った。
その活動は、始祖ローゼンクロイツの遺志を受け継ぎ、錬金術や魔術などの古代の叡智をもって、人知れず世界を救うとされる。
薔薇十字団もヤフェトメーソンの流れを汲む結社だったようだ。

薔薇十字団には、社会的・科学的・哲学的な「啓蒙思想運動」と錬金術などの「オカルティズム思想運動」の流れがあり、後者は「思弁的神秘主義」と「実践的魔術」に分けられるという。

やがて薔薇十字団の存在は伝説化し、入団希望者が増え続けた。
神秘的なシンボルを使って儀式を行うフリーメーソンは、薔薇十字団と同一視されるようになり、各ロッジに入団希望者が殺到したという。
しかし、そこにいたのは秘教とは無縁の一般労働者だった。

失望した入団希望者達は、石工とは無関係な独自のフリーメーソンを作り、ヨーロッパ全土に広まった。
その多くは、貴族や騎士、裕福階級者の集いで、相互扶助を目的とした親睦団体だったようだ。
薔薇十字団とフリーメーソンが本格的に融合した経緯はハッキリしていないが、フリーメーソンの「聖堂騎士団起源説」が噂されるようになってからだといわれている。

聖堂騎士団とフリーメーソン

聖堂騎士団は1096年に創設され、中世ヨーロッパで活躍した騎士修道会である。
正式名称は「キリストとソロモン神殿の貧しき戦友たち」で、エルサレム神殿の遺構の上に最初の本部が設置された。
彼らは強大な軍事組織に発展し、巨大金融機関としても成長したが、13世紀の終わりにフランス王フィリップ4世によって壊滅させられた。

聖堂騎士団起源説を主張する者達は、聖堂騎士団が錬金術の秘儀に通じた秘密結社であると信じていた為、フリーメーソンが錬金術の秘密結社になることを望んでいたという。
その聖堂騎士団起源説を主張する者達は、フリーメーソン結社員だったと思って間違いない。
しかし、聖堂騎士団がフリーメーソンのルーツだったとは考えにくい。

いずれにしても、聖堂騎士団起源説を主張する者達によって、フリーメーソンは19世頃からエルサレム神殿の紋章を使い始め、フリーメーソンの起源を聖堂騎士団と結び付けようとすると同時に、ヒラム・アビフの死と復活の儀式が行なわれるようになった。

また、聖堂騎士団がスコットランドで存続したという伝説が生まれ、スコットランド儀礼のフリーメーソンやフランスを中心とするジャコバイト系フリーメーソン、諸々のオカルト系フリーメーソンが生まれたという。
だが、彼らは聖堂騎士団系メーソンでは満足できなくなり、「黄金薔薇十字団」へと発展していった。

これが「黄金の夜明け団」を始めとする魔術結社の雛型になったという。
黄金の夜明けとは「明けの明星=ルシファー」を意味し、ルシファーを崇拝する魔術結社というと危険な集団のように聞こえるが、カバラを中心に、神智学、錬金術、エジプト神話、占い、グリモワールなどを習合させたもの神秘学の秘密結社である。

イルミナティとフリーメーソン

フリーメーソン陰謀論で必ず引き合いに出されるのが「イルミナティ」で、フリーメーソンを支配する魔術結社だとされている。
イルミナティは日本語で「啓明結社」と訳され、イルミナティの語源はイルミネート(啓蒙)だが、本来の意味は「光」であり、光の天使「ルシファー」を意味するといわれている。
つまりイルミナティとは、光の天使ルシファーを信仰する「ルシフェリアン」たちなのだ。

イルミナティは1776年5月1日、ドイツのユダヤ人アダム・ヴァイスハウプトによって設立された。
ヴァイスハウプトは少年期、厳しい戒律で有名なイエズス会の修道士に教育され、宗教に対する強い反発心から、古代エジプトの魔術など様々なオカルティックな神秘主義に傾倒し、最終的に「シリウス信仰」に到達したという。
イルミナティの光は「シリウスの光」でもあるのだ。

だが、彼の過激な革命思想は世間から強い迫害を受けた。
そして、現存する国家の廃絶を強く望み、選び抜かれた超エリートによる世界統一政府の樹立を熱望していった。
そこで彼は、野望実現の為に同志を募り、秘密の集会を開いたりしていた。
そして、当時隆盛しつつあったフリーメーソンの組織力と、世界共和国建設という共通した目的に目を着け、メーソンに入会して結社員たちに自分の思想を注入し、メーソンのロッジの中心的存在にのし上がり、ロッジの主要メンバーはイルミナティ結社員で占められた。

このヴァイスハウプトの危険な動きに対し、メーソン本部もいろいろな手を打ったが、ロッジ内のイルミナティ勢力は揺るぎないものになっており、イルミナティはメーソンの一派として確立された。
このメーソンとイルミナティの結合によって、メーソン結社員は300万人を超える組織となり、「イルミナティ系フリーメーソン」はメーソンの思想を過激に、そして政治的に利用する陰謀集団に豹変し、フランス革命などを起こした。

また、イルミナティ派は、政府とカトリック教会の崩壊を狙った軍事計画を実行しようとし、メーソン内の保守派がそれを政府に密告したことで、1785年3月2日、イルミナティは活動禁止処分を受け、ヴァイスハウプトは国外に追放され、イルミナティは消滅したかに見えた。
イルミナティは事実上壊滅したが、その思想はフリーメーソンが受け継いでいる。
フリーメーソンの日本グランド・ロッジの礎石に「AL5981年」とあるが、これはフリーメーソン年号で、Aは「Anno(統治)」、Lは「Light(光)」。
つまり、「イルミナティ(ルシファー)の統治」という意味である。
posted by チェンリー at 11:05| Comment(0) | フリーメーソンの起源 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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